散歩道<3079>

                       社説・総選挙公示「09年体制」の幕開けを(2)                       (1)〜(3)続く

緊張感のある政治へ 
 最近では93年にも政権交代があった。「非自民」連立による細川政権。第2党以下が寄り集まって第1党の自民党を下野させた異例の形だった。この政権が1年足らずで挫折したことが、村山*2連立政権で自民党を政権に復帰させ、いらい、結果として本格的な政権交代を遠のかせることになる。
 東西冷戦下の反映に向かって、自民党は幅広い思潮と優れた官僚機構を抱え込み、対する野党は政権担当の意思も能力もなかった。
 しかし、そのことが日本の政治と行政に何をもたらしたか。88年に発覚したリクルート事件を受けて、自民党で政治改革の旗を振った後藤田正晴元副総理
*1はこう語った。
 「1党長期支配の下では腐敗、オゴリ、マンネリが避けがたい」「行政はあまりにも肥大化して能率が悪く、権力を背景にして既得権益を生み、国民の自由な活動の重荷になっている」
 その弊害を打ち破ろうと、94年に実現したのが衆院への小選挙区制導入を軸とする政治改革だった。後藤田氏の言葉を借りれば「与野党間で政権交代のある緊張した政治のシステムをつくる」ためである。
 それから15年。5回目の選挙だ。
 政権交代の可能性が常に開かれた政治をつくる。政権を担える党が事実上自民党しかなかった55年体制に終止符を打つ。そんな「2009年体制」の幕を今度の総選挙で切って落とすことができるかどうか。数々の政策課題の重さをも超える今回の選択の最大の意義はそこにある。


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