散歩道<3080>
                       社説・総選挙公示「09年体制」の幕開けを(3)                       (1)〜(3)続く
政権交代を常態に 
 政権党に重大な失政や魅力を欠くことがあれば、次の選挙でもう一方の政党に取替える。そんな当たり前の原則をこの日本に定着させるのは、しかし、決して簡単な道程ではあるまい。
 内外ともに先を見通しにくい大転換期の中にあって、それに対応しきれない自民党長期政権の閉塞
(へいそく)感は国民の間でかってない広がりを見せている。だから民主党への支持が今のような高い数字を示しているのだろう。
 とはいえ首相が言うように、政権交代しても「明るい未来」がたちどころに訪れるはずもない。むしろ民衆党には政権担当の経験がないだけに、一時的には混乱を招く可能性もある。
 民主党の「脱官僚」路線は機能するだろうか。子ども手当てなどマニフェストに掲げた新規政策の財源をひねり出すには、公共事業など他の予算を削る作業が伴う。それで不利益を被る人や団体の反発や抵抗に、民主党がたじろぐことはないか。
 自民、民主両党の政権公約の違いは分かっていても、それぞれがよって立つ支持基盤や憲法、安全保障といった基本的な理念で、保守対リベラルというようなくっきりした対立軸が見えているわけではない。
 それどころか、似通った多様な主張が両党内に混在している。そのこともこの「政権選択選挙」を分かりにくくしている。小政党の主張をどうすれば反映できるかも課題だろう。
 そもそも2大政党の議席が拮抗すれば、敗者がばらけて勝者にすり寄る政党再編や離合集散、「大連立」のような動きもあり得るかもしれない。

敗者は自らを鍛え直せ 
 だが、せっかくの2大政党・政権交代時代の流れを逆戻りさせることは許されない。
 政権党は日々の政治のなかで自らの理念や存在理由を問い直し、政策を実現させていく。敗者は野党に徹し、「政権準備党」として次の総選挙に向けて自らを鍛え直すことがあくまで原則である。
 政権交代時代にふさわしい政党文化を日本でも育てなければならない。私たちはそのとば口にいる。
 政権交代がごく普通に繰り返される「2009年体制」の政治。30日の投票日、民意の力で新しい民主主義のページをめくりたい。
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