散歩道<3078>

                       社説・総選挙公示・「09年体制」の幕開けを(1)                       (1)〜(3)続く

 「政権交代で新しい政治を」と民主党の鳩山代表が攻める。「政権交代の先に明るい未来はない」と麻生首相が切り返す。
 真正面から「政権交代」の是非を問う、歴史的な衆院総選挙が今日公示される。
 自民党と社会党が産声を上げた1955年から半世紀余、日本では野党が選挙で第1党の座を奪い、政権に就いたことは一度もない。「政権交代といえば自民党内の総裁の交代。「55年体制」が崩れ、連立政権が常態となった後もそれが基本的な常識だった。
 だが、健全な民主主義を作るために2大政党による政権交代が望ましいという考え方は、実ははるか昔からあった。
 「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄は、1911
(明治44)年に次のような一文を残している。
 「二大党対立で、英国流の憲政政治をやることも、左程
(さほど)難事ではあるまい・・・・成っては破れ、成っては敗れしているうちに、二大党対立の慣習が浸(し)みこんで、終(つい)には純粋の二大党となり、憲政の運用是に妙を究るに至る」
 実際、昭和初期の約5年間、政友会と民政党の保守二大政党が政権を争そった時期があった。激しい政争を経て、軍部によって政党政治は結局、窒息させられていく。戦後の混乱期にもめまぐるしい政権交代の時代があった。


'09.8.18.朝日新聞

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