散歩道<3074>
社説 09・総選挙に問う・「政府」をつくり直さねば(3) (1)〜(3)続く
これまでの官僚依存の政治はもはや限界だ ・政党が主導権を発揮できる体制が問われる
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うたい文句どおりに新組織が機能するかどうかは、やってみなければわからない。政治家の側にこれだけの責任を担えるだけの能力があるのか。実際に政策の最前線に立つ官僚との新しい協働関係は機能するのか。疑問や不安は限りなくわいてくる。だが、岩盤に穴をうがつには、一度ならず何度かの政権交代という大改革が必要なのかもしれない。
もちろん、自民党も「政治主導」の大事さに気づかなかったわけではない。今回のマニフェストでも「首相を補佐する国家戦略スタッフの発足を現実のものとし・・・・、政治主導を一層強化する」「天下り根絶」などとしているものの、具体策はほとんど書かれていない。
政権担当の「責任力」を掲げる自民党に求めたいのは、長期政権の下での政と官のあり方を総括し、説得力のある制度改革を提示することだ。
政と官との関係をどう刷新するか。それにはそもそも中央政府はどんな仕事を担当し、自治体には何を任せるのか、税源をどう分けるのか、分権の議論が欠かせまい。有権者が問いたいのは、そこまで含めた「この国のかたち」の選択肢なのだ。
この総選挙では、各党とも暮らしを守る公約に力を入れている。そうした政策を、だれがどのように具体化し、実行するのか、政府の姿をめぐる議論はこの歴史的な総選挙にふさわしい大テーマである。
'09.8.8.朝日新聞