散歩道<3070>
                 社説・衆院解散、総選挙へ大転換期を託す政権選択(2)                (1)〜(3)続く

堂々と政権公約選挙を
   日米同盟が重要というのは結構だが、それでは世界の経済秩序、アジアの平和と繁栄、地球規模の低炭素社会化に日本はどう取り組んでいくのか、日本自身の構想と意思を示してほしい。それが多国間外交を掲げる米オバマ政権の期待でもあろう。
 現実的な国益判断に立って、国際協調の外交を進めるのは、そもそも日本の有権者が望むところだ。それができなければ、外交への国民の信頼は失われ、日本の国際的な存在感もますます薄れていく。
 民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高いだろう。確かに、政権を代えてみたいとう期待は強い。だが懸念や不安もある。
 民主党の言う「脱官僚」の政策決定の仕組みができれば、永田町や霞ヶ関は大変わりだろう。経済界や民間にも影響が及ぶ。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
 一方の自民党が踏みとどまるには、みずからの長い政権運営の歩みを総括し、生まれ変わった「政権担当能力」を示すことだ。党内の派閥間で疑似政権交代を続けてきた時代はその必要を感じなかったろうが、これからはそうは行かない。
 マニフストづくりを急ぐ各政党に強く訴えたい。政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。
 なすべきことは多く、資源と時間は限られている。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフスト選挙」にしなければならない。それを政権選択選挙の当たり前の前提にしたい。

'09.7.22朝日新聞

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