散歩道<3071>

                 社説・衆院解散、総選挙へ大転換期を託す政権選択(3)                (1)〜(3)続く

民主主義の底力を示せ

 選挙後の勢力図次第で、政局は予断を許さない。自民党内からは政党再編論が早くも聞こえてくる。自民も民主も基本的には差はない。危機には国を挙げて、という理屈だ。
 しかし、政権交代しやすい小選挙制度を導入して15年。民意が政権公約に基づく選択でそれを機能させようというところまできたのに、いきなりその選択を無にしようという発想はいただけない。複雑な大変化の時代だからこそ、選択の結果を大事にしたいというのが有権者の思いではなかろうか。
 本紙の世論調査では、政権を与えた党の実績が期待はずれなら次の政党に、という人が6割にのぼる。政党間の不断の競争と緊張。民意によって与党にも野党にもなる。重要政策で妥協が必要ならば、開かれた国会の場を使うことだ。
 有権者もこの間、多くを学んだ。一時のブームや「選挙の顔」よりも、政権公約の内容、実行の態勢、指導者の資質を確実に判断することの大事さだ。口に苦くても必要と思えば受け入れる覚悟がいることも。
 この選挙で課題がすべて解決するわけではない。だが、まずは民意の力で「よりましな政治」へかじを切る。日本の民主主義の底力を示す好機だ。
 審判は秋の気配も漂い始める来月30日。2009年の長い夏、目を凝らして日本の明日を定めたい。


'09.7.22朝日新聞

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