散歩道<307>
理数科離れ・数学・(1)記憶と音楽 (1)〜(3)続く
数学に音楽による(歌うように)記憶が大変役立つという話が出ていた。このことが最近忘れ去られている。昔はものごとを記憶する場合に何かに関連つけて記憶することも多かった。(16.5.5)子供の日のNHK「なんでもかける天才漢字少女」が出ていた、(この場合は漢字でほとんど質問にすらすらと回答するのに私も驚いた)母親と漢字を記憶する場合は音楽に合わせて記憶をするそうです。
現代の理数科は離れは平安期に似ているといわれる。これは歴史的には平安時代、度重なる遣唐使の派遣などによって、当時も学ぶべきものは大体入った。社会の保守化、安定化とともに、面白いもので人々の心から知識に対するひたむきさが失われていく。21世紀の理数科離れの現在との共通点である。異文化需要後の弛緩期。 明治の西洋文明の到来、そして戦後の混乱、と激動、一気に急成長した日本。情報過多の状態がこのような状況を作りだしているというのである。九・九を音楽に合わせて記憶することは西欧諸国には出来ない日本人が出来るすぐれたこととして報告されていた。 日本人は調子をつけて歌うように憶えるのに、欧米では散文的に並べるだけで日本のように暗記物でないからだ。
子供の教育に日本式の掛け算9・9を絶対欠かせないこと、これが日本の初等数学教育世界一としている核心部である。秘密の一部がここにある。(欧米人は、九九を論理的なものとして左脳で処理するのに対し、日本人はそれを音とし、左脳に加えて右脳をも働かす。この差である)。日本ではインイチガイチ、インニガニ・・・・・・と節回しよろしく進んでいく。日本のそれは理屈ではなく、歌の丸暗記に近い、実はそれが非常に重要なのである。
大切なことは、日本語を巧みに利用した暗記を重要視することである。数学はすぐれて論理的なものだが、その実務は暗記の多いことを皆さんご存知であろう。そして無数の暗記の模範の先に独創がある。大数学者ガウスは数字の暗記魔だった。(伊達宗行様の数の日本史)
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