散歩道<3050>
                     政治コラム・総選挙考@・1票で政権・首相・政策選ぶ(1)           (1)〜(2)続く

 天下分け目の総選挙、連日、攻防が続いている。この選挙の意味や見所についてシリーズで考えてみたい。
 24年前の夏。地方勤務を終えて、東京で政治取材を始めた。中曽根康弘内閣だった。いちばん驚いたのは、自民党と社会党との関係だ。
 それまでは政治記事の読者として、国会では自民、社会両党が激しく対立し、政権を競い合っているのだろうと思っていた。しかし、政治家や官僚の話を聞くと、政治を運営しているのは、もっぱら自民党で、社会党は注文をつけるだけの「万年野党」にすぎないという。確かに総選挙で社会党の候補者が全員当選しても半数には達しないのだから、政権交代など、ありえない話だった。
 80年代末に取材した竹下登元首相の言葉が印象深い。「自民党は、福祉や環境などで社会党から要求されたことを5年後に実現すれば政権を維持していける」

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 大きな変化が起きたのは、90年代に入ってからだ。小沢一郎氏らが政治改革を掲げて自民党を離党・自民党が下野し、混乱の末に、94年に政治改革関連法が成立して衆院に小選挙区制が導入された。
 96年、00年、03年、05年と小選挙区制の総選挙が重なられた。03年は大きな分岐点だ。自民党が民主党に合流。自民党と争う2大政党の体制が整った。本格的なマニフェスト(政権公約)選挙となった。民主党が獲得した177議席は、戦後の野党第1党としては、58年の社会党
の166議席を上回る最大勢力である。

'09.7.25.朝日新聞・編集委員・星 浩氏

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