散歩道<3017>      
                         ザ・コラム 財政政策の国際化に活路を(3)                    (1)〜(3)続く 
                                  増税は必ず来る

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 第二の問題、すなわち財政支出の使い道も、深刻な危機にある。
 今回の経済危機で、欧米経済が長期低迷となることは必至だ。当分、日本の対欧米輸出は回復しない。今年は、輸出が減った分を財政支出で穴埋めするわけだが、これから何年も続けても、元には戻らない。国内でバラマキ的な財政出動を続けるだけでは出口なしだ。
 現在の政策の背景にある考え方は、財政の刺激で医療や福祉などの雇用を増やし、内需主導で日本経済を成長させることだが、容易ではない。内需拡大は30年前から日本の課題だったが、遅々として進まなかったのだ。
 財政支出の使い道について、海外にまで視野を広げると、活路が見えてくる。
 経済危機を受けて、今後、アジアなどの新興国で大規模な公共事業が実施されていくはずだ。新興国では、道路や水道などの社会的インフラがまだまだ足りないから、公共事業をやる意義は大きい。
 そこで、日本の財政資金を新興国に貸し付け、その資金で新興国の公共インフラを整備する。さらにそのインフラ整備を日本企業が受注し、日本経済に資金を還流する、という政策体系を考えられないだろうか。従来の政府の途上国援助(ODA)というより、いわば国際的財政政策である。
 これで新興国の内需が拡大すれば、日本も安定的に利益を得る。日本にとって都合のいい話のようだが、発展しつつある国が、海外から借金をして社会基盤を整備するのは自然なことである。
 新興国の発展の基盤づくりに日本が貢献することになるし、新興国のインフラに日本の環境技術が生かせれば温暖化対策にもなり、世界経済にとってもプラスとなる。政策としても,貸付だけでなく、債権市場の制度整備に協力するなど、様々なバリエーションがあるだろう。
 与野党ともに、短期的で内向きの議論に終始するのではなく、日本と世界の将来を見据え、国民が納得できる方向を示すべきである。

'09.7.9.  経済産業研究所上席研究員 小林 慶一郎氏

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