散歩道<3016>
ザ・コラム 財政政策の国際化に活路を(2) (1)〜(3)続く
増税は必ず来る
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もっとも、世界的な金融危機が続く中で、国債市場がすぐに破綻するとは考えにくい。民間の証券や資産を信用できなくなって、投資家は、国債のほうが安全な資産だと思って、国債を買い続けているからだ。しかし、民間経済が回復すれば、資金が民間に流れ、国債をほしがる投資家が減る。そのときが財政破綻の危機である。また、民間経済が回復しなくても、日本政府が信用を失えば国債を買う人はいなくなる。
いまの与野党の指導者をみると、財政再建への「本気度」について、多くの人は疑問と不安 を抱かざるをえないのではないだろうか。日本政府の信用は、政府指導者が常に「財政を再建する」と決意表明し、国民がそれを信じることで生まれるのである。増税の必要性をオープンに論じることが、政治への信用をつなぎとめるために必要とおもわれる。
また、政府の借金が大きすぎる国では、増税する方が消費が増えて景気がよくなるという説もある(非ケインズ効果)。政府が過大な債務を抱えていると、将来の社会保障が不安になり、国民は消費を抑えて貯蓄を増やす。あえて増税し財政への不安を和らげることができれば、国民は消費をふやす。今の日本にぴったり当てはまる説である。非ケインズ効果からは、景気をよくするには増税論議をすべきだということになる。
'09.7.9. 経済産業研究所上席研究員 小林 慶一郎氏
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