散歩道<3015>           

                      ザ・コラム・財政政策の国際化に活路を(1)                    (1)〜(3)続く 
                             増税は必ず来る

 総選挙が迫り、与野党がそれぞれ政策に独自色を出して選挙民にアピールしようとしている。だが、経済政策の方向性には自民党と民社党とで大きな違いは感じられない。バラマキ的な財政支出の一方、その資金をまかなうためには、政府の借金を増やすか、無駄使いを減らす、という。
 しかし、政府支出のまかない方にも使い道も、別の見方で考えておく必要があるのではないか。@国民負担を増やすこと(増税)を議論すべきではないか。A財政支出を国内だけで考えていても出口がないのではないか。
 第一の問題は、財政破綻の危険という問題に直結している。政府の借金が膨らみ続け、「政府が借金を返せなくなる」と市場参加者が信じるようになれば、国債の売りが増えて国債価格が下がる。その結果、国債金利が上昇し、住宅ローンの金利も、企業の借り入れ金利もそれに連動して上昇する。金利上昇で個人の生活は圧迫され、企業も苦しくなる。金利が上れば物価も上昇する、賃金が増えない中でインフレになれば、生活はさらに苦しくなる。政府は国債の発行が出来なくなり、歳出を削減せざるをえなくなる。アルゼンチンが数年前に財政破綻した時には公的医療が崩壊し、治る病気が治療できず死ぬ人も出た。まさに国民生活の崩壊といえる。
 つまり財政破綻とは市場による強制的な「増税」だといも言える。政府の債務が膨らみ続ければ、政治が意思を持って計画的に増税をして財政を再建するか、そうしなければ、最後は市場の力による暴力的な増税が待っているのだ。国民が政府の借金の負担から逃れることは基本的に無理なのである。
'09.7.9.  経済産業研究所上席研究員 小林 慶一郎氏

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