散歩道<2994>
日本@世界・「追いつき、追い越せ」脱却を(2) (1)〜(4)続く
「危機の20年」の出口は
世界の日本を見る目も変った。
自分の国の姿・かたちを映す鏡というものがあるとすれば、それは外国人による観察かもしれない。日本の場合、シンガポールの手鏡が役に立つ、小ぶりだが、触覚も認識も乾いている。
その鏡に映るのは、方向感覚を失い、ひきこもり、萎(な)える日本の姿である。
このほどシンガポールで旧知の政府高官と懇談した際、外務省と財務省の高官はそれぞれ語った。
「日本は、いつもどこかに、だれかに追いつこうとしている。いつまでそれを続けるのか。もっと自信を持ってほしい。最近は日本から首脳がシンガポールに来るたびにビジョンらしいものが語られる。「自由と繁栄」とか何とか。中国にやられまい、との受身の攻撃性が透けて見える。そんなのに我々は興味はない。日本の外交はこのところこれも含めてその都度、その場だけのものが目立つ」(外務省高官)
「米中の事実上のG2が生まれつつある。日本はアジアでのリーダーシップを中国に譲り始めている。中国は行動し、日本は反応するだけだからだ。中国の対アジア政策は組織的かつ効果的だ。中国は香港と上海をアジアの金融の中心にしようとしているが、それをぎらつかせないようにしている。ソフトパワー志向だ。一方、日本にはシステム的、戦略的な取り組みがない。経済交渉でも各省めいめい敵(外国)より味方(国内他省)と戦っている。政治指導力がよわいためだ」(財務省高官)
'09.7.2.朝日新聞・本社主筆・舟橋洋一氏
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