散歩道<2992>
経済気象台(463)・知財ビジネスの勧め
天然資源が乏しい日本にとって立国の基礎は、知的財産につきる。そのために国を挙げて、科学技術の振興に努力してきた。その結果として、多くの知的財産が蓄積されつつある。
大変よいことではあるが、知的財産は使わなければ絵に描いた餅だ。しかもその権利には期限がある。日本の特許が世界に大いに流通しているか、という点になると甚だ疑問だ。
知的財産という看板だけをぶらさげて、誰かが来るのを待っていたのでは、百年河清をまっているようなもので、良い結果など望みようもない。ここは知的財産をしっかりと「ビジネス」としてとりあげる戦略が必要であろう。
知的財産の先進的なマーケットといえば、なんと言っても米国だ。英語は世界共通の商売言語である。しかも今、オークションなどの形で特許を売り買いするマーケットがつくられつつあり。そのマーケットは最も開かれたものだ。
かってハードの輸出においてそうであったように、日本は、米国をもってその突破口とすべきだ。
とくに最近、米国では自らが創出した「情報社会」の次なる時代を構築するにあたって、知的財産への関心が急激に高まりつつある。
日本にとっても絶好のチャンスといってよい。お互いに協力して、新しい時代に向かっていけばよい。だが、中には心配性の人もいて、「そんなことをすればわが国の知的財産は米国に奪われる」などという。では自分だけでやっていけるのか。
かってハードで日本が世界を席巻した時にも当初、同じような議論があったように記憶する。要は工夫と努力だ。
'09.6.16.朝日新聞
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