散歩道<2979>
社説・オピニオン・水俣病の政治学(1) (1)〜(5)続く
合意形成の時だ カギ握る民主党よ政権担当能力示せ
水俣病の未認定患者問題で蒲島郁夫熊本県知事が動いた。先月末、水俣で被害者と会ったその足で永田町へ。別々に救済法案を出した自民、民主両党幹部に今国会成立を訴えた。合意形成のポイントはどこか、政治学者出身の知事に「水俣病政治学」を聞いた。
・・・なぜ今国会成立なんですか。
「政治学者から政治家になって1年2ヶ月弱。つくづく感じるのは、理想主義と絶妙なバランスこそが政治であるという事実です。百点満点を求めて達成まで時間をかけるのがいいのか。80点かもしれないが、苦しんでいる人々に答えるのがいいのか。そこを判断するのが政治です」
「水俣病の公式確認は1956年。私は9歳でした。それから53年。いまだに被害は続いています。熊本県は水俣病を未来永劫、忘れてはならないと考えていますが、国は若干、遠ざかっている印象です。国会議員と面談した際、『まだ解決していないんですか』と言われたのには驚きました。風化が進む前に何とか問題を解決しておきたいのです」
「水俣病対策でいちばん貴重なのは時間です。救済されるべき人が高齢化している。与野党協議で問われているのは民主党の姿勢です。自民党の譲歩も必要ですが、民主党に今国会でなんとかする強い意志があれば、まとまります。会期が7月28日まで延長されたのは救いの神。超党派で成案をと願っています」
・・・・ならば、自民、民主両党幹部と会って合意への道筋は見えましたか。「与野党案の最大の違いは地域指定の解除です。最終決着を意識して解除を盛り込ん与野党案に対し、民主案は解除は不要としています。地元で絵も解除には不安が強い。問題がすべて解決したあかつきには地域指定は解除されるのだから、いまは余計な不安は与えないよう、解除の条件を厳格化したらいい。条文の書き方などを調整すれば差は詰められます」
'09.6.10.朝日新聞・蒲島郁夫熊本県知事
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