散歩道<2926>
                          社説・民主党 鳩山新代表(2)                       (1)〜(3)続く
                            政権交代へ説得力を磨け

現実主義が試される
 それだけではない。何にも増して、現下の大不況をどう乗り切るのか、明確なメッセージを発することだ。
 雇用や賃金が劇的に縮小し、格差や貧困の問題が深刻さを増している。企業の多くは記録的な赤字決算だ。財政や金融を総動員した緊急対策が求められている。
 仮に民主党が次の総選挙で勝てば、すぐに来年度の予算編成に望まねばならない。どんな政策を組み合わせ、財源はどう工面してくるのか。具体的なプログラムを示さなければならない。それが総選挙での大きな争点になることは間違いない。
 官僚主導から国民主導の国へ。そんな「国のかたち」をかえようという鳩山氏の主張はもっともだし、自民党長期政権に不満を募らせる有権者も共鳴するだろう。だが、それだけでは政権構想としては説得力を欠く。
 未来への期待だけでなく、今日の暮らしをどう守るのか。この疑問に答える現実主義が試されていることを鳩山民主党は覚悟すべきだろう。
 米軍再編をめぐる日米協定をはじめ外交政策でも、政権にあったとすればどうするか。具体策を伴った責任ある態度を見せる必要がある。
 第二の過大は、小沢氏秘書の事件で深く傷ついた民主党のイメージを刷新し、党の体質を改めることだ。
 この2ヶ月、「小沢氏と一連托生」と寄り添い、「国策捜査の可能性」まで口にしてきた鳩山氏にとっては、容易なことではない。事件についての民主党として説明責任はまだ果たされたとは言えない。総選挙を考えれば、選挙実務と戦略にたけた小沢氏の力を借りた事情もあろうが、国民の目の厳しさを侮ってはいけない。


'09.5.17.朝日新聞


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