散歩道<2925>
                           社説・民主党 鳩山新代表(1)                       (1)〜(3)続く
                              政権交代へ説得力を磨け

 次の総選挙で民主党の「顔」となる新代表に、鳩山由紀夫氏が選ばれた。小沢前代表の公設秘書の逮捕以来、予想もしなかった逆風にさらされてきた民主党にとって、巻き返しにむけた足場は出来たことになる。小沢氏の辞意表明から5日、新代表選びの過程では、「親小沢か,非小沢か」といった点が注目された。岡田克也氏は「脱小沢」での再出発に期待する中堅・若手を中心に支持を集めたが、29票差で届かなかった。

財源論議を逃げるな

 結局、鳩山氏が勝ったのは、党内基盤の厚さとともに、総選挙を間近に控えて党内の亀裂を深めたくないという議員の判断が働いたせいなのだろう。鳩山氏が早くから岡田氏に執行部入りを求めると公言し、挙党態勢づくりを強調した戦術が奏功した。
 小沢体制の下で幹事長を務めた鳩山氏が新代表につくことで、政策や党運営での継続性や安定感はあるものの、「刷新」という点で疑問符が付きまとうのは避けられない。
 鳩山新代表の使命ははっきりしている。民主党の首相候補として麻生首相と「党首力」を競い、そして政権交代を実現することだ。
 そのために、第一に重要なのは、政策である。
 年金制度の一元化、農家への戸別保障制度、子ども手当ての創設、高校教育の無償化、鳩山氏が掲げた政策メニューは小沢代表の時代と変わらない。
 野心的に見えるが、問題は巨額の財源をどこから調達するかだ。鳩山氏の説明は「霞ヶ関の税金の無駄遣いをやめることによって20兆円くらいの財源は捻出
(ねんしゅつ)できる」というにとどまった。これまた小沢時代とそのままだ。
 さて、これで本当に「政権を任せられる」という有権者の信頼を得ることが出来るのだろうか。
 この点では、岡田氏の主張の方が説得力があった。具体的な財源の目途を立てつつ、優先順位を決めて重視する政策から実現していく。消費税アップについても論議を逃げない。鳩山氏は財源論でもっと真剣な姿勢を打ち出さなければならない。

'09.5.17.朝日新聞

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