散歩道<2924>
                   あしたを考える・核なき世界へ・オバマ演説から始まった(3)            (1)〜(3)続く      
                        
根底に核テロ対策「開発の口実与えない」

「核のない世界」を目指すという今年4月のオバマ米大統領の宣言をきっかけに、核廃絶への期待が高まっている。北朝鮮のミサイる発射直後に『核ゼロ」を提唱したオバマ氏。核拡散や、核テロの脅威の高まりが言われる中、いまこそ核兵器への依存を減らさなければならないと訴えた大統領の脳裏には、どんな考えがあったのだろうか。

世界に機運、壁も
 ニューヨークで開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議の準備会合が15日、閉幕した。この会合は、5年ごとに開かれる再検討会議の行方を占う試金石ともあえる。前回は準備会合で議題すら設定できず、本番も、ブッシュ米政権と途上国などとの溝が埋まらず、決裂した。今回の準備会合では対照的に、オバマのプラハ演説を受けて国際協力の機運が高まった。最終日には、核保有5大国が核軍縮への「永続的で明確な努力」を改めて約束する異例の声明を発表した。オバマは最終的な核廃絶に向けた具体策として、プラハ演説では@米ロ核軍縮の推進A包括的核実験禁止条約(CTBT)の米国による批准、早期発行などを挙げていた。@米ロ核軍縮に関連しては、ホワイトハウスのセイモア調整官(軍縮担当)は「核廃絶の国際的条件はまだ整っていない」と指摘、「核抑止力は維持する」と語る。米ロの本格的な実務交渉が19日、モスクワで始まった。現段階では最初の削減目標をどこに置くか不明だ。核軍縮を担当する米政権幹部は3月、慎重姿勢を見せたとされる。究極的な核廃絶を目標に掲げつつ、核抑止力を当面維持する道は単純ではない。ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のハマー報道官は4月末、「我々は長い時間をかけて努力する一方で、日本など同盟国の安全は保障する」と述べた。米国の「核の傘」の下にある日本などが、米国頼みの抑止体制に不安を抱き、独自の核武装を目指すことがないよう念押しする意図が、そこにはうかがえる。AのCTBT批准にもなお強い異論がある。批准には上院(100議席)の3分の2の賛成による承認が必要だが、共和党議員の協力をどこまで得られるかは不確定だ。カーネギー国際平和財団のパーコビッチ副理事長は「CTBT批准は最初の現実的試練に過ぎない」と指摘する。だがいかに困難な課題が待ちうけようとも、その半面で核をめぐるリスクは放置できないほど高まっている・・・・その認識こそが、オバマを「核ゼロ」宣言に踏み切らせたのだった

'09.5.20.朝日新聞

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