散歩道<2901>
面白い文章(19)-1・半藤一利様・21世紀への伝言(文芸春秋)から
1、衣料キップ制の実施が決定・「背広50点、ツーピース27点」 1942(昭和17)年1月20日
暖衣飽食の世である。住はともかく衣食に関して日本中どこでも、これがなくて困るというものがない。そんないい時代に生まれ育った人たちには、およそ想像も出来ない一つの事実を、記録として残しておきたい。「ぜいたくは敵だ」として、着るものがすべて点数制できめられ、よう買えなかったという話である。
戦時下の日本、何から何まで不足で、1942(昭和17)年1月20日、衣料キップが交付されることになった。都市居住者は1年に100点、郡部の居住者は80点、この点数内で衣料品の購入がみとめられた。
背広三つ揃・50、ツーピース・27、袷きもの・48、単衣・24、学生オーバー・40、スカート・12、ブラウス・8、Yシャッ・12、ズロース・4、セーター・20、靴下・2、パジャマ・40、毛布・40、座布団・36、タオル・3、。
ただし結婚する女性は別に500点がとくに増配された。いかがなものか。平和をおう歌していい気になってばかりいると、またこんな時代が到来しないとも・・・半藤一利様
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2、名作「カサブランカ」封切り・「先のことはわからない」 1942(昭和17)年11月16日
「ゆうべどこにいたの?」「そんな昔のことは覚えていない」「今夜、会ってくれるの?」「そんな先のことはわからない」
映画「カサブランカ」のなかで、ハンフリー・ボガードが、情婦であった女にいう名セリフである。つれなくふるまう時の言葉としては、これ以上のものはないような気がする。
この映画は、1942(昭和17)年11月16日に、アメリカで封切られた。反ナチスと反戦をテーマに、メロドラマの娯楽性がうまくとけあって、数々の名場面と、これまた数々の名セリフとで、不朽の名作となった。
しかも第二次世界大戦の勝敗いずれにあるか、まだはっきりしないときである。こうした映画をつくっていたアメリカの余裕と底力にはあらためてびっくりさせられる。監督はマイケル・カーチスだ。日本封きりは勿論戦後で、ヒロインのイングリット・バーグマンの美しさには目を見張った。半藤一利様
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