散歩道<2894>

                 経済気象台(435)1、信用収縮という名の怪物  2、グリーンスパンの”               ・・・・・発想を変える

 世界中で景気が急激に悪化している。米国や欧州は、深刻な不況の中にある。日本やアジア諸国では、輸出が前年比24割も落ち込み、輸出に依存していた景気は、あっという間に腰折れした。
 世界銀行など国際機関は、09年の世界経済がマイナス成長に転落すると予測している。米国発の不況が、輸出減少を介して、世界に瞬く間に伝播
(でんぱ)したことが、世界同時不況をもたらした。
 しかし、不況の理由はそれだけか。欧米経済の減少率(2
3%)に比べ、日本やアジアの輸出減少幅は、あまりに大きい。旺盛な国内投資によって高成長を続けていた国々(ドバイや東欧諸国)でも、景気は急速に悪化している。
 その背景にあるのが、激しい信用収縮ではないのか。輸出が激しく落ち込んでいるのは、貿易金融の縮小が貿易活動を制約しているからである。ある推計によれば、貿易金融は前年比4割も減っているという。新興国では、国内投資を支えていた海外資本が、一斉に逃げ出している。それが、銀行による金融仲介機能の低下と相まって、景気を冷やしている。企業が生産や投資を激しく削減しているのも、信用収縮に備えて手元資金を確保しようとしているためだと考えると、納得がいく。
 そして、各国で政府や中央銀行が、銀行資本の増強や資産の買い取り、損失の保証など、最大限の努力をしているにもかかわらず、信用不安と信用収縮が収まらないところに、今回の危機のすさまじさがある。つまり、信用収縮という名の怪物
*1が世界経済を破壊しているのである。それが収まるまでには、かなりの時間と多大なコスト(国民負担)がかかることを覚悟しなくてはならない。

'09.3.31.朝日新聞

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備考:前任者のFRB議長ロバート・ルービン(1995-99)はドル高政策を実施、その結果は世界からアメリカに金が集まり続け、製造業中心の社会から金融業中心の社会に変わっていく。引き継いだ、FRB議長グリーンスパン(1987-2006)は国家が関与するのは、治安と国防だけで、経済は市場に任せる放任主義が最適と考えていた。1998年のITバブルを救済するためには(今までのドル高政策に対してドル安政策に切り替えた)。その後、低金利政策を長期に亘りとり続けた。その集まったあり余る金は、モラルハザードを起こし、住宅バブルや裏付けのない金融商品が多量に社会にあふれ世界にばらまかれることになる(その額700兆jとも言われる)。今まで反応していたアメリカ経済はすでに短期金利引上げによる金融政策では金融市場の反応は全く反応しなくなっていたそして、グリーンスパンはこれは”CONUNDRUM"と嘆いたと伝えられる。'09.5.NHKマネー資本主義から2009年5月25日