散歩道<2873>
けいざい・ノート・銀行国有化・世界の不良資産処理急げ・国際的な政策協調を(1) (1)〜(3)続く
先々週のロンドンにおけるG20財務相・中央銀行総裁会議で、米国は各国に対して財政出動の共同行動を求めた。主要国が国内総生産(GDP)の2%ずつの財政支出を増やせば、世界経済を下支えし、景気回復を実現できるというわけである。これに対して独仏は慎重な姿勢を見せ、米欧の綱引きが続いている。
4月2日のG20首脳会議でも財政出動が大きな話題になる。最近の米国や英国の論議を見ていると、財政出動によって需要が増えれば、市場の不安や恐怖はぬぐい去られ、経済に対する自信が回復するはずだ、というような根拠の乏しい期待に過剰にすがっているような感じを受ける。
90年代前半の日本の雰囲気と似通っていて、たいへん懸念を覚えるのである。
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米国の住宅バブルが崩壊し、膨大な住宅ローンが不良債権になった。それを証券化してできた不良資産は米国経済だけでなく、世界中に蓄積している。 日本の経験から言えることは、不良資産処理が進まなければ、いくら財政出動で景気を下支えしても、根本的に市場が自信を取り戻すことはないということだ。不良資産処理をしないと、米経済も世界経済も、財政政策をやめたとたんに景気が悪化する「財政政策依存症」に陥ってしまうだろう。
'09.3.28.経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏
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