散歩道<2859>
面白い文章(82)・論説委員室から・実のある予算審議は
米国8ヶ月、英国5ヶ月、ドイツ4カ国、フランス3ヶ月、日本2.5ヶ月。何の数字かといえば、国立国会図書館がまとめた各国議会の本予算案のおおよその審議(しんぎ)期間だ。
先日の衆議院予算委員会で、民主党の逢坂誠二(おうさかせいじ)議員がこれをもとに「日本の予算審議はもっと丁寧(ていねい)に、多角的に議論すべきだ」と指摘していた。
日米でこんなに審議時間が違うのは、もちろん制度が違うからだ。日本では、国会提出前に政府・与党がさまざまな要望を採りいれて予算案を固め、国会は事実上、これを承認するわけだ。
一方、米国では大統領の予算教書を受け、議会が利害調整をしながら予算を作っていくから時間がかかる。独、仏でも議会による予算修正がある。
制度の良しあしは一概には言えないが、少なくともこれらの国の議会の方が、オープンかつ実質的な予算審議をしていると言えるのではないか。
日本では予算案の採決の前に、与野党間で「××時間も審議したのだから採決を」「まだまだ審議が足りない」といった駆け引きがなされる。時間をかけて修正するのならわかるが、日本の場合はそれはない。いかにも形式的だ。
ねじれ国会になって一般の法案では与野党協議による修正も目立つようになった。だが、予算案の修正は政権にとってはいまだにタブーだ。未曾有(みぞう)の経済危機である。これを機にこんな慣習と決別できないか。
'09.3.27.朝日新聞
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