散歩道<2853>

                  opinion・私の視点・「道具村」(2)・ものづくり精神の復権を            自分流に纏めた       (1)〜(2)続く

 人間は道具つくり、使って生きる動物である。私は日本人のものずくりの魂を取り戻し、生きる誇りを保つため、一つの提案として「道具村」即(すなわち)「道具寺道具村構想」を描いている。作家の武者小路実篤が自他共生の理想郷として開いた「新しい村」のような形の、人間と暮らしに役立つもの(道具)との関係を考え場である。 
 「村」は日本のどこにあってもいい。中心は「道具寺」
である。そこは道具づくりの道を究める道場あり、茶道をはじめ日本の伝統文化の研鑽の場を配し、道具にかかわる技を磨く「道具道」を修行、実践する「道場」を設ける。
 さらに、「道具大学」「「道具劇場」「「道具博物館」「「道具市場」、ロボットを中心とする道具の総合エンターテインメント施設などで構成され、村全体が道具世界の香りのただよう道具ランドであう。そこで人間世界と道具世界の関係を考え、ものずくりを通じて人格を育むのである。
 われわれは地球の資源を使いすぎて環境問題が深刻になっている。その資源がたとえ半分になっても、人間が暮らしてゆけるような、未来に向けた村づくりこそ村づくりのネライである。道具を造ること、工夫すること、人間の手で操作しやすいデザインを考案することなどを日本の未来を担う若者たちに引き継いでいくことも、村の大きな目標である。
 私は講演などで、時々この構想を語るが、反応はある。時間はかかるだろうが、「道具村」が「ものずくり日本」を推進し、世界のものずくりの核になれば、と願っている。


'09.3.19.朝日新聞・工業デザイナー・栄久庵 憲司氏

備考:は私の判断、