散歩道<2838>
私の視点・雇用問題・人材中心主義に転換せよ(1) (1)〜(2)続く
雇用保障、ワークシェアリングなど、昨年来の大量の失業増に対する政労使の掛け声が強まっている。
日本の政労使のリーダーがひんぱんに使うキーワードは、過去の例をみても、流行語として年末の話題になる程度で、数年で忘れられてしまっている。今回もそうなりかねない。なぜなら、こうした掛け声は対処療法に過ぎず、21世紀を通じての日本の基本的な課題が抜け落ちているからだ。
まず第一は、この数年間、ヒステリックなまでに論じられた、少子高齢化・人口減少社会問題が忘れ去られていることである。この間、非正規従業員として職を失った人の半数以上が、21世紀を支える30代、40代の世代であったことに注目しなくてはならない。
しばらく続いた好況局面に、とりわけ大企業がこの世代の労働者を正規従業員として積極的に採用し、教育・訓練をしてこなかったことで空前の利益を上げたとすれば、その後代に与える影響は、経済的な面のみならず、社会心理学的な面まで含み、簡単に取り返せない「ゆがみ」を与えたといえる。
第二は、かって唱道された「企業・経営者の社会的責任」なるスローガンはどこへいってしまったのかと問いたい。日本の労働のリーダーの大半からは、この点での積極的な意見は聞かれていない。
'09.3.5.朝日新聞・青山学院大教授・手塚 和彰氏
関連記事:散歩道<131>企業倫理、<289>企業倫理、<1753>けいざい・ノート企業不祥事〜(4)、<1839>3つの定款規定、
![]()