散歩道<2819>
                          opinion世界経済・資本主義はどこへ(1)              (1)〜(3)続く
                                多様な価値映す市場を

・・・・途上国支援に取り込む世界銀行のスリランカ担当者として,今回の世界的な経済危機をどう受け止めていますか
 「グローバル化時代における危機の恐ろしさを見せつけられました。先進国の金融市場を発端とする危機が、予想されたよりもはるかに速く、また大きな規模で、途上国の実体経済に影響を与えています。世銀は、途上国の今年の成長率予測を従来の6.4%から4.5%に下方修正しました。世界の金融と実体経済、途上国と先進国が依存しあっていて、だれもそこから逃げることができない。すごい時代に生きているのだと、改めて実感させられました。


○○政府が失敗した

・・・衝撃の大きさから市場主義への反省が語られています。
 「今回の危機を市場がもたらした災厄だとする見方は、本質を見誤っています。失敗したのは市場ではなく、政府です。金融市場はリスクを取ることが基本ですから、危機は起りえる。近年もアジアやロシア、アルゼンチンで金融危機が起りました。政府はそうした市場の性質がわかっていながら、金融市場の高度化と複雑化についていけず、有効な規制を打ち出せなかった」「銀行の国有化など、どちらかいうと資本主義を否定するような方法は、あくまで短期の緊急避難です。市場がだめだから政府が取ってかわるんだといった短期的な議論が金融市場をどう再構築するかという長期の議論を曇らせてはいけない」
・・・・失敗の責任がある政府は、どんな対応をもとまられますか。
 「金融市場では、政府と市場のいたちごっこが常に起きます。いたずらに規制強化して市場を縛るのではなく、きちんと勉強し、高度化した市場に見合った規制にする、市場の参加者にルールを守るインセンティブ(動機)を与える統治構造にする必要があります」

'09.1.19.朝日新聞・世界銀行スリランカ担当局長・石井 菜穂子さん