散歩道<2808>

                             耕論・品格ってなに?(1)                  (1)〜(2)続く
                           
    感情を律するのが本来の文化

 私たちがなじんできたしばらく前までの社会では、品格や矜持(きようじ) といった価値観が大切にされ、人々の言動にも繁栄されていました。それが現在ではあまりにもうち捨てられています。品格が話題になるのは、それが戦後ないがしろにされ、結果として、社会の良さが失われたことを多くの人が肌で感じていることのの表れだと思います。
 皆さんに是非読んで欲しい本があります。長岡藩の家老の娘として1873
(明治6)年に生まれ、アメリカに渡った杉本鉞子(えつこ)の「武士の娘」や「「ある明治人の記録・・・・会津人柴五朗の遺書」(石光真人編著)です。彼等は大昔の人ではありません。 大正、昭和まで生きた人たちです。
 どちらも「賊軍」とされた藩の人で、大変な苦労をしました。でも、自分の人生は自分だけのものではない。誰かのお役に立ちたい、生きるのは自分自身と家族のためでもあるけれど、社会のため,公のためでもある・・・そう考え、行動した彼等にはおのずと矜持が備わりましたし、身なりが貧しくても、おのずと品格が現れました。 武士だけではありません。幕末から明治初期に訪れた欧米人たちの記録を読むと、一般庶民の気品のある挙措と姿に彼等は感嘆しています。                    

'09.2.15.朝日新聞・ジャーナリスト・桜井 よしこさん

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