散歩道<2781>

                    私の視点企業評価・利益より付加価値額に着目(2)         (1)〜(3)続く

 
 いまは業務委託や派遣といった.実態は人件費そのものであっても委託費や外注費といった形で人件費としては処理されない費用が多額にのぼる。従業員が、企業が長期にかかわる「人材」(固定費)から、切りつめる対象の物件費(変動費)として扱われる傾向が、終身雇用などの日本的経営が廃れるに従ってひどくなったためだ。
 会計制度の改革によって、四半期の決算発表や資産の時価評価などの公開が進み、株主、投資家が求める利益に関連する情報開示はより充実した。一方で、企業グループを一体で評価する連結決算への移行や持ち株会社化は、重要な経営資源である人材に関する情報を、財務諸表から読み取りにくくした。
 また、現在の企業評価は、自己資本利益率や総資本利益率などの、利益率でみるのがつ普通である。だが、これは株主価値の評価としては有効であろうが、企業価値の評価としては不十分だ。
 そこで新しい企業評価法として、総資本付加価値率の導入を訴えたい。企業がもつ資産に対して、賃金を含む付加価値をいくら計上したかという点を見る指標である。

'09.2.2.朝日新聞・日本大教授・稲葉 陽二氏