散歩道<2744>
世界変動・危機の中で・米金融・IT サバイバル(3) (1)〜(3)続く
1、つまずいたベトナム進出攻勢、 2、膨張続けた投資銀、傷だらけ、 3、シリコンバレー、強烈なリストラ
シリコンバレー、強烈なリストラ
米IT産業の中心地、カリフルニア州シリコンバレー。成長の見込める若い企業に資金を出すベンチャーキャピタル業界で、「18ヶ月のバイバルという言葉が、最近しきりに使われている。
向こう1年半、追加の資金調達は期待できない。手持ちのカネを集め、黒字化を急げ・・・・。投資先企業にそう警告しているのだ。
ヤフーやグーグルを育てたことで知られるセコイア・キャピタルは昨年10月、投資先の経営トップを集めて開いた説明会で、「現実を見るか、(会社をたたんで)家に帰るか」とまで説いた。
市場からの資金調達も遠のく。ソフトウエア開発のビッグフイックス社は08年中に予定していた上場を取りやめた。デーブ・ロブンス最高経営責任者(CEO)は「このタイミングでは、自分自身を含め投資家にとって損になる」という。
全米ベンチャーキャピタル協会などのまとめでは、07年は86件あったベンチャー企業の株式公開は08年は9月までに6件と激減。協会のディックソン・ドール議長は「最上級のベンチャーを除いては、投資を得られない。『ハッチを閉める』時期だ」と説く。
00年のITバブル崩壊のときも、資金流入は一度しぼんだ。だが、その後、東海岸の投資銀行やファンドからカネの流れが増し、ここ数年は再び活況を見せている。
その東海岸が突如、壊滅。生き残るには強烈なリストラしかない。ある大手ベンチャーキャピタルの幹部は投資先企業に「情は捨て、人員は半分に」と号令をかける。ITバブル崩壊の教訓は、素早くリストラした会社だけが生き残ったということだ」
だが、[後退]だけではない。
昨年12月9日、サンノゼ近郊のショールームに報道陣約50人が詰めかけた。自動車製造ベンチャー、テスラモーターズが、スポーツ型電気自動車「テスラ・ロードスター」の100台目の購入者にキーを渡した。イーロン・マスクCEOは「我々の強みは、シリコンバレーで生まれた技術を使える点だ。レクサスとだって戦える」と自信を見せた。サンノゼ市内に約250億円を投じて工場を建て、セダン型車を生産する計画だ。
「クリーンテック」とよばれる環境関連技術は、投資先の厳選を急ぐシリコンバレーで「最もカネなる」と見込まれる分野。半導体産業の技術を応用できる太陽光発電関連のベンチャー企業はすでに約80社あるとされる。
大手ベンチャーキャピタル、ジャフコ米国法人の菅谷常三郎社長は[環境関連は基本技術では日本が先行し、米国勢の成功確率は100社に1社だろう。ただ、その1社は世界を変える突破口になる」と話す。冬を迎えたITの本場では、新たな成長をさぐる動きも始まっている。
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