散歩道<2739>
世界の変動・危機の中で・米「強欲主義」曲がり角(4) (1)〜(4)続く
1、巨額の報酬の放置、ビジネススクールも反省、2、「勝者は報われて当然、大リーガーのように」、3、新しい経営者像、模索の動き、
3、新しい経営者像、模索の動き
独政府は、経営者のストックオプションの行使機関を2年から3年以上に引き伸ばす法案を模索している。
フランスでは幹部が解雇された際に受け取る退職金について、サルコジ大統領が法規制に踏み切る構えをみせている。もとは失業手当のない幹部を保護する制度だった。新興企業ブームのなかで幹部の引き抜き防止に利用され、金額がつり上った。エアバスなど航空・宇宙関連を傘下に持つEADS社のフオルジャール社長は業績不振で退任したが、8500ユーロ(約11億円)の退職金を受け取り、問題視されていた。
ただ、シュバルバッハ教授は「上限を規制する法律は意味がない。優秀な経営者ならばいくら稼いでもいい」と指摘し、経営者報酬の上昇率と同じ上昇率を従業員の賃金にも適用するようなシステムの導入を提案する。
市場のメカニズムが社会を進歩させるとの考えが基本の米国では、「経営者に『欲を捨てて高潔なれ』といっても解決策にならない。業績と正確に連動する報酬制度にすることが必要だ」(経済ジャナリストのリカ−ド・カッ氏)との声が少なくない。ただ、細かな制度の工夫だけで解決しきれるのか、との疑問は残る。
01年に明らかになった米エネルギー大手エンロン*1の巨額の不正会計事件も、経営陣が高額報酬を求めて株価をつり上げようとして起きたと指摘された。事件を受け、社外取締役の役割強化など経営監視の仕組みは強められたはずだった。だが、「取締役会は中間内のグループのまま。結局、何も変わらなかった」(スキール教授).今度こそ、教訓を生かせるのだろうか。
'09.1.9.朝日新聞
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