散歩道<2715>

                   けいざいノート・歴史に残る世界的経済危機(3)             (1)〜(3)続く

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 経済危機は、世界的な構造調整(つまり米国の過剰消費体質の是正)が原因なので、輸出減少などの大きな流れを日本の政策で変えることはできい。しかし、日本の景気や雇用が受ける影響を最小限にするために、できることはある。
 いまできることで、もっとも景気と雇用に効果があるのは、企業の「資金繰り」を支援する政策である。
 先週、日本銀行は企業が発行するコマーシアルペーパ(CP)の買い切りを表明し、日銀が直接、資金繰りのための資金を企業に貸し出す決断をした。これで年末の解雇などの事態は多少、緩和されるだろう。もし先月この政策が採用されていれば、非正社員の解雇問題も、もう少し先延ばしはできただろうが。
 今後、企業の社債や株式なども大規模に買い入れる必要が出てくるだろう。
 その際、重要なのは、日銀と政府の意思疎通と連携の強化である。
 CP、社債や株式は、本来、選挙の審判を受けていない日銀が買い入れるべきものではない。発行体の企業が倒産すれば国民が損失を被ることになるからだ。CP、や株式などの購入は、国民の代表たる国会の審議を経て政府が発行を行うべきものといえる。
 だが、景気悪化があまりに急激なため、政治の動きが追いつかない、一方、資金繰りは時間との勝負である。
 そこで、政府が政策を発動するまでの間、「つなぎ」として日銀が社債や株式などリスク資産を買い入れる、という連携プレーが考えられるわけだ。もちろん、後で政府が日銀の損失を穴埋めすると保証をつける必要がある。
 現状はこうした非常時に対応した政策連携を取れる体制になっていない。今後、半年ほどの時限処置として、政府と日銀による「資金繰りの対策本部」を設置して連携を強化し、事態の急変に対応できるようにすべきではないか

'08.12.27.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏

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