散歩道<.2678>

               けいざいノート・国版「バランスシートの罠」(3) 悪循環を止めるには 債務削減に政策の焦点を    (1)〜(3)続く

 
債務削減に政策の焦点を

 米国で財政政策(減税と公共事業)に期待が集まっているのもそこに真の理由があると思われる。減税や公共事業で債務者が救済され、マクロでは債務削減が実現できる。その結果、市場の疑心暗鬼を拭い去り、「バランスシートの罠」を抜け出せるということだ。
 しかし、日本の経験から言えるのは、焦点の定まらないバラマキ的な減税や公共事業では、債務削減の実効性は少なく、罠から脱却することは難しい、ということだった。
 住宅ローン債務者に対する債務免除や公的な低利貸し付けや、過剰債務に陥った企業の事業再生などに焦点を絞って、効率的な債務削減のために、財政資金を投入することが望まれる。
 いずれにしても、米国経済の長期低迷を覚悟する必要がある。日本も米国への輸出に依存した経済構造を、内需主導型の成長タパーンに、一刻も早く改革しなければならないだろう。

'08.11.22.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林 慶一郎氏