散歩道<2667>
社説・不況と温暖化・「緑の内需」の出番だ(1) (1)〜(3)続く
世界はいま、100年に1度とも言われる経済危機に直面している。不況から脱出するのが最優先だ。何十年も先の地球温暖化を防ぐため、大金を注ぐ余裕があるのか?
そんな疑問を跳ね返すように、米国のオバマ次期大統領は新たな発想で不況に挑もうとしている。
オバマ政権で転換へ
道路やダムをつくる従来型の公共事業ではなく、脱温暖化ビジネスを広げていくことで環境の危機を同時に克服する、というのである。
太陽光や風力など再生可能エネルギーの拡大、食用ではない植物によるバイオ燃料の開発、家庭のコンセントから充電できるハイブルリット車の普及・・・。エネルギー分野だけで10年間に1500億j(約15兆円)の国費を投じてグリーン内需を拡大し、500万人の雇用を生むと訴えてきた。
こうした脱温暖化への投資を他の分野へも広げれば、経済への波及効果もさらに高まろう。
オバマ氏の政策は「グリーン・ニューディール」とも呼ばれる。1930年代にフランクリン・ルーズベルト大統領が公共投資によるニューディール政策で大恐慌を乗り切ったように、こんどは環境への投資で危機を打開したい。そんな期待がこもる。
温暖化防止のためのさまざまな取り組みに対して、「経済成長を妨げる」と背を向け続けたブッシュ路線から、百八十度の転換である。
世界最大の二酸化炭素(CO2)は輩出国が「チェンジ」を決断すれば、13年以降の輩出削減策の枠組みをつくる国際交渉に弾みがつく。
主要8カ国は「温室効果ガスを50年までに少なくとも半減する」という目標を世界で共有しようと呼びかけている。コンサルタントの米マッキンゼー社は6月にまとめた報告書で、「それには炭素生産性を現在の10倍にしなければならない」と指摘した。炭素生産性とは、CO2輩出1d当たりの経済規模のことだ。生活水準を下げずに目標を達成するには、再生可能エネルギーへ大転換し、化石燃料の効率も飛躍的に高めないといけない。
'08.11.25.朝日新聞