散歩道<2655>

                     社説・米国刷新への熱い期待オバマ氏当選(3)            (1)〜(3)続く

米一極支配終り  

 だが、新政権を待ち受ける現実は厳しい。まずは米経済の立て直しだ。冷え込む景気や急増する失業、1兆j(100兆円)に達するとも見られる財政赤字はもとより、世界経済の混乱をどう収拾していくか、来年1月の就任を待たずに対応を迫られよう。
 「強い米国」による一極支配の時代は軍事と経済の両面で終わりを迎えている。米国が超大国であることは変わらないが、イラクとアフガニスタンはもはや一国では手に負えない。巨額の資金が一瞬のうちに世界を駆けめぐる金融市場の規模とスピードには、グローバルに対応するしかない。
 オバマ氏が国際協調の重要性を訴え、敵対してきた国との対話にも積極姿勢を打ち出したのは、その意味では時代の要請にこたえるものだ。温暖化対策や核拡散の防止などの課題でも、米国を軸とした国際協力が欠かせない。
 これからの世界が多極化に向かうとしても、米国の指導力が頼りにされていることに変わりはない。「米国の再生」を待ちわびるのは、米国民だけではないのだ。
 オバマ氏は勝利演説で「私はみなの声に耳を傾ける」と約束した。世界の声に耳を傾けて、「信頼され、尊敬される米国」をよみがえらせてほしい。

'08.11.6.朝日新聞