散歩道<2652>

                       仕事力・誰からも愛されるジャガイモ(2)              (1)〜(3)続く
                   10年ひと仕事。宝物を磨き込んでいく   初心を胸に60 歳まで走りきる

 パリ・ラムルー管弦楽団・15シーズン、ボルドーのオーケストラ・10年以上、イタリア・ローマのサンタチェチーリア国立アカデミー管弦楽団、トリノのイタリア国立放送交響楽団・5、6年、ベルリン・コンチェルトハウス管弦楽団、「佐渡裕ヤング・ピープルズ・コンサート」・10年、年末の「1万人の第九」・も10年、「富士山河口湖音楽祭」・7年かかわっている。サドラー(佐渡のフアンの愛称)が、たくさんヨーロッパ中にいてくれる。1度目より、2度目、2度目より3度目の演奏会が良かったというお客さんが増えることが嬉しい。1度失敗すると10年かかるし、1度成功すると10年単位で続いていく。結局僕等の仕事は、そんな10年単位の時間軸で動いているのだと思います。1つの出会いで生まれた宝物を長い時間をかけて丹念に磨き込んでいく、そういう中からしか音楽の感動は生まれない。
 20年間振り返ると、「流れるままにやってきた、ベートーベン、ブラームス、モーツアルトなどドイツ系に作曲家の勉強をした、その後パリの3大オーケストラといわれる、パリ・ラムルー管弦楽団、フランス国立管弦楽団、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に次々立つことになった。 この前ベルリン・ドイツ交響楽団とチャイコフスキーの「交響曲第5番」を録音たのは、ベルリンのイエス・キリスト教会です。そこは、かってカラヤンが、ベルリンのフィルハーモニーホールがオープンするまでよく録音に使っていた教会です。僕が少年時代ここで収録されたベートーベン全集やチャイコフスキーのシンホニーなどを聴ぃて育った、だからぜひそこで録音したかった。その夢がやっとかなった。
 ドイツ人はタフで無愛想で、ある意味やぼというイメージはあるけれど、実は革新的で新しいもの好き。素晴らしい前衛芸術が生まれるのはドイツです。その流れの中で今度何ができるか。それが自分でも楽しみでもあるわけです。
 指揮者としての集大成は60歳になったときに何が出来るか、何をやりたいか、でしょうね。音楽はそれ自体は形に残らないけれど何か社会に貢献できるものを残したい。それが教育という形でもいいけど、先達から受け継いだものを次代に継承したい。そう思うと、人生の一つの区切りと考えている60歳まであと13年です。


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