散歩道<264>

                            
香水(香り)(1)・歴史                   (1)〜(2)続く

 古代エジプトにおける香料文化はパルミラ(シリアの古代都市)やバビロンが中心。ギリシャではスパイスなどの芳香性植物や芳香性油が香料として使われた。ローマ時代は宗教的な儀式、葬祭又は個人の生活の日常的な慣習であった。ベネチアの商人達が芳香の発見や自分の体を洗ったり、石鹸で磨いたりする術をローマ人に広めた。ヨーロッパ全域に広めたのは十字軍遠征の戦士達。香料は最初、衛生上の配慮から使われた。香水としてヨーロッパでは14世紀中頃より、(日本では明治になってから使われたと思われる、それまではたきもの文化として)ヨーロッパにおいて香水は1555年最初の製造に関する解説書が出ている。最初はフランス、イタリー、スペイン、イギリスの宮廷に持ちこまれ華美と威信の象徴として流行。当時は、香水に使われる天然香料とはジヤスミン、ローズ、バイオレット、ラベンダー、ハッカなど。16世紀には”ハンガリの水”、”匂い皮革”、”匂い手袋”(グラースの町)が有名である。17-18世紀の初頭は香水は魅惑的な装身具としての役割と衛生上の不備を糊塗する為の役割もはたしていた。18世紀には宮廷の貴婦人達は自家用の調香処方書を錬金術師に処方通に作らせた自分だけの香水を持つようになる。18世紀の後半には合成化学*5による最初の香水が出来るようになり、香水の幅を広げる画期的な事件となる。
1950年代まで、パリモード界にオートクチュールが香水産業や一流調香師等でオートクチュールブランド名の新しい香水発表。(シャネル・パトウ、クリスチアン・ヂオール、ランバン、ロシャス、パコ・ラバンヌ、ニナ・リッチ。)今世紀初頭は草花の香りが支配的であった。(ウビガンのフジエール・ロワイヤル、ゲランのジャッキー、キャロンの黒水仙、ウビガンのケルク、・フルール、コティーのロリガン。)第1次世界大戦後シプレ・ノート(地中海原産の高い木の香りで大人ぽさを感じさせる香り)(コティーのシープル、ゲランのミツコ)、この時代の特筆すべき発見はアルデヒドの使用により特徴ずけられるシャネルno5の成功であり、これにより香りの幅が広がると同時に香りの民主化、香水に大衆化の道が開けることになった。コティーのエメロード、キャロンのクリスマスの夜、ゲランのシャリマー、ランバンのスキャンダル、キャロンのフルール・ド・ロカイユ、パトウのジョイ、ル・ガリオンのソルティレージュ、コティーのロリガン)。
第2次大戦後、(ロシャスのフアム、カルバァンのマ・グリフ、ディオールのミス・ディオール、ニナ・リッチのレール・デユ・タン男性用香水の発表、特にアメリカ、日本、イタリアの香水産業への参入である。21世紀の世界は人間がおよそ自然界で体験できない不思議な香りで満ちているだろうと想像されている。

関連記事・散歩道<95>匂いの文化、<817>プーシキン美術展
*5


備考:散歩道<267>香水(香り)(3)・種類はあります。