散歩道<2639>
                     面白い話(192)・1、ナンセンス・2、背水の陣

かたえくぼ
:やかましい:やかましい連中が自分のやかましいことをやかましく言うので訳は分からんバイ・・・福岡在住方言学者
(ひろば)

1、 ナンセンスとは
 
Nonsenseとは、無意味、他愛(たあい)も無い,ばかげたことという意味であるが、そのほかすべて確実なる根拠のない言語、解釈、思想などのことにも使われている。およそ意味がないということが、すでにナンセンスであって近代味のナンセンスはエロと結合して現代の一端をあらわし、また理窟なしに明るく笑ってしまえるナンセンス文学もこの時代を背景にして現れた一種のポンチ文学である。日本語としてのナンセンスは、もとの意味とはすこしはなれて、一般に「罪のないおもしろさ」といういくぶんユーモアの味をふくんだことばとして用いられている。この言葉があまりしられていなかったころのはなし。昭和5年(1930)8月15日の閣議で大臣たちが雑談中「ナンセンス」の意味が問題になったおり、その当時の鉄道大臣であった江木翼が「それはたわいもない話ということだ」と簡単にかたずけようとすると、外務大臣の幣原(しではら)喜重郎が、「いやそうではない。それよりは、与太郎といった方がよい」とさすがに外交官らしく、英語のニュアンス問題まで持ち出し、はては口論となり、とんだ迷訳をひっぱりだそうとしたとき、首相の浜口雄幸が「それはかんたんだよ、いま君たちがいいあらそっていること、それがナンセンスだよ」とかたずけた、という珍談が残っている。日置昌一さん

2、  背水の陣とは
 覚悟のほぞをふかくかため、全力をあげて勝敗を決する態勢にあることをいう。これは中国の戦国時代の戦術書孫子(そんし)の「これを亡地に投じて然る後に存し、これを死地に陥れて然る後に生く」ということばから出たものである。すなわち敵を前にし、水を背にして陣をとるときは、退けば水におぼれるのでどうしても前進して戦うよりほかに道はなく、死中に活路をもとめるということを意味している。むかし前漢のおり、英将として有名であった韓信が趙王歇(かつ)を攻めたとき、部下に決死の覚悟をさせるため水を背にして陣し、一歩もしりぞくことなく大いに戦い、とうとう味方を勝利に導いたことは、背水の陣の性格をよく現している話である。フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトがまだ仕官学校の生徒だったとき、一教官が「汝もし一要塞において敵に包囲されて出ずる途はなく、しかも兵糧の欠乏したるさいはどうするか」とたずねたところ、かれは言下に「敵にして兵糧を持てるかぎり、余はごうも我軍の兵糧の欠乏を憂えず」と昂然(こうぜん)と胸をそびやかしてこたえたという。日置昌一さん

関連記事:散歩道<検>面白い話