散歩道<2595>
アジアと日本・文化共通意識生かす外交へ(3) (1)〜(3)続く
○ ○
今、日本外交がなすべきことは、東アジアの若者たちに、一過性でなく、恒常的な交流と共同作業の場と機会をもっと提供することであろう。アーティ−スト・イン・レジデンスの拡充やアジア映画専門劇場の解説、アジアの演劇人が自由に共同制作できるようなアジア劇会の創設、そしてそれらすべてを円滑に行うための大前提たる、翻訳者の育成とアジア文化の相互紹介事業の拡充などが急務だろう。
東アジア共同体構想や日本の観光立国政策も、こうした文化的次元の議論にもっと勢力を注ぐべきではないだろうか。そうして初めて、日本のアジア外交は、対欧米外交の従属変数であることをやめて独自の展開をしめすことが出来るのである。
なぜならば、アニメの中には、日本の伝統的自然観が潜んでおり、それこそ、これからの地球の環境問題解決の一つの鍵を提供するものともいえ、また、機械やロボットを人間の体の延長と観念する日本人の感覚は、21世紀の人間社会のありかたに、伝統的ヨーロッパの観念とは違う考え方を注入するものだからである。アジアの伝統と観念の世界的規模での普遍化の可能性をさぐることこそ、これからの日本外交の大きな柱の一つではあるまいか。
'08.10.18.朝日新聞・国際交流基金理事長小倉和夫氏
散歩道<423>世界の窓・日中の両国が色眼鏡はずして、<984>世界の窓・中印、大国としての「責任」は(1)〜(3)、<1312>世界の窓・権力を抑止する「徳」が必要1)〜(3)、<1530>世界の窓・アジアそれぞれの「解放」(1)〜(3)、<2232>歴史は生きている・民衆が動かした近現代史(1)〜(3)、
![]()