散歩道<2576>

                      社説・追加経済対策・「安全網」の再構築こそ(1)                    (1)〜(2)続く

 「財政の健全化はきわめて重要だ。しかし、現在の日本には、景気回復が最優先課題だ」
 8年前、「経済困難」と言われた小渕内閣の時代に、堺屋太一経済企画庁長官が国会の経済演説で述べた言葉だ。最近そっくりな言い回しを、麻生首相を初め政府・与党から聞く。
 補正予算案が衆院を通過したばかりだが、麻生首相は追加の経済対策をまとめるように指示した。
 米国発の世界的な金融危機は、まだ全体像をはかりがたい。米国をはじめとして世界の景気は、これから深刻な打撃を受けるだろう。経済の悪化はまだ入り口の段階にある。危機を脱出し、経済を立ち直らせるには、何年もかかと考えておいた方がいい。
 輸出主導で戦後最長の景気回復を保ってきた日本経済も、手痛い影響を受けざるを得ない。私達はそれくらいの覚悟を持って、この負の圧力に立ち向かっていかねばならない。
 こうした状況で、国民の不安を抑えるための政策を検討し実行するのは政治の役目である。しかし、麻生政権の考え方は、まず減税や公共事業など財政出動による旧来型の景気対策ありきと見受けられる。その財源には、国債の増発も「場合によってはやむを得ない」とされている。
 
'08.10.10.朝日新聞