散歩道<2577>

                      社説・追加経済対策「安全網」の再構築こそ(2)                    (1)〜(2)続く

 公共事業や減税を大判振る舞いした小渕内閣の路線へ、まるで逆戻りしたようだ。「困った時の常備薬」。そんな皮肉をいいたくなる。バブル不況から脱出するために景気対策を連発した結果、国だけで550兆円もの国債残高が積みあがり、財政が身動きできなくなってしまった。
 財政に余裕があるならまだ分かるが、使える財源はごく限られている。今回の不況はまだ始まったばかりで、先が長く底も深そうだ。なけなしの財源は、一番効果的なときに有効な方法で使わねば意味が無い。
 いま取り組むべきなのは、少子高齢化が本格化していくのに備えて、社会保障を組み替え、維持していくことではないか。
安全網」の再構築なしに国民の安心は得られない。遠回りのように見えるが、それが結局は内需を充実させることにつながるに違いない。
 民主党の前原誠司前代表は衆院予算委で、道路財源を社会保障へ大胆に振り向けるよう求めた。雇用や老後など不安が高まりそうな分野の
安全網」を強めるこうした手だてこそ重要だ。
 金融危機のあおりで資金繰りが厳しくなってきた中小企業へ、信用保証で資金を回す。雇用確保や内需型への転換に努力する企業に対し、応援する政策も有効かも知れない。
 薄く広く予算や減税をばらまくのではなく、効果がありそうな分野へきめ細かく対策を打つ。そうした対策づくりを求めたい。

'08.10.10.朝日新聞