散歩道<2548>
                       社説・9.11テロから7年・新しい連帯を作り出そう(1)             (1)〜(3)続く

 米国が同時多発テロに襲われた時、テロに立ち向かう米国を後押しする声が世界中から沸きあがった。多くの国の人々が悲しみと衝撃、怒りを共有し、こうしたテロリズムを根絶したいと感じた。
 国際テロ組織を許さず、蛮行を繰り返さぬために、どの国も汗をかかねばならぬ。そんな連帯感が広がっていた。「コモングラウウンド」(共通の土俵)に立って対テロの行動を考える雰囲気が確かに存在していた。
 
弱まるばかりの結束 
 それから明日で7年。
 米国主導でアフガニスタン、イラクで戦端が開かれ、軍事力による制圧は今も続く。その後、米国への大規模テロは起きていない。ブッシュ大統領は、米国の外で戦ったからこそ国内の安全を守ることができたと胸を張る。だが、世界の多くの人たちが共有したはずの幅広い連帯感はもはやない。
 何が起きたか、振り返ってみよう。米国と伝統的な同盟国との結びつきにひびが入り。「古い欧州、新しい欧州」「有志連合」といった言葉が飛び交った。イラク戦争を巡って生じた米欧同盟内の亀裂は今なお尾を引きイラク再建での足並みはそろわない。
 アフガニスタンは民主化に歩み出したはずだったのに、ここ2、3年タリバーン勢力が盛り返し、治安は悪くなっている。ビンラディン容疑者は拘束できえていない。米国は同盟国に兵力の増強を促すが、犠牲の大きさや展望の乏しさに多くは二の足を踏む。
 アフガニスタンの隣国パキスタンでは、米国の対テロ戦争に協力的だったムシャラク大統領が辞任に追い込まれ、政情不安が続く。
 「アルカイダーの勝利の方程式は、イスラム社会の人々の不満につけ込み、西洋世界、特にアメリカに対する終わりのない抗争に駆り立てることだ」。ライス国務長官は米誌「フォーリン・アフェア−ズ」への寄稿にこう書いた。それが分っていながら、この7年間、イスラム社会への反米意識の広がりになすすべがなかった。
 イランの大統領が反米世論をあおり、ウラン濃縮に突き進んでいるのも、それと無縁ではなかろう。

 

'08.9.10.朝日新聞

関連記事:散歩道<検索>戦争、
備考:'01.9.11. 2機目の飛行機がビルに突っ込み、勤務中に亡くなった人の日本人の父が、今年アグガニスタンを訪問し、アメリカの飛行機による誤爆により父を亡くした現地の子供が、反米の気持ちを強く持っている子供に数多くあったという報告をNHKの報道でなされているのを聞いた。
備考:'01.8. 戦争を請負う会社が世界にはあるらしい、この会社が起こした事故の責任は、どの国が取るのかという話が出ていた。