散歩道<2525>
耕論・混迷の政治・虚のテーマでの偽りの対決 劇場型でなく(1) (1)〜(3)続く
・・・日本の政治が混迷状態です。背景に何が。
「グローバル化が進んで、一国の政治にとってはできることが小さくなっているのに、国民の期待は大きい。そのジレンマがある」
・・・・具体的には
「少し遡って考えて見ましょう。冷戦期、日本は国内にも55年体制という対決の構造があった。大枠がきまっているから、逆に政権は政策の独自性を出しやすい。池田内閣の所得倍増も佐藤栄作内閣の沖縄返還も、政府が自分で行動したり米国に働きあけたりして、結果を出せるテーマだった。
「ところが冷戦が終わりグローバル化が進むと、政府やリーダーが出来ることが著しく小さくなってしまった。時代の大きな枠組みが変化した。金融、特にサブプライム*1問題は象徴的だ。状況は深刻なのに、どの政府も有効な手が打てないでいる。
○ ○
・・・・すると、時の政権担当者はどうするのですか。
「自分たちの権力を維持し国民の支持をつかむために、いわば『虚』のテーマ、実態の薄い課題を大きく取り上げ、ニセの対決を作る。平たく言えば劇場型政治だ。小泉元首相の発明ではない。サッチャー元英首相が始めたアルゼンチンとのフォクランド紛争が典型だ。あれは本当に必要な戦争だったのか。プーチン・ロシア首相にとってのグルジア紛争も似ている」
「現代は虚の政治テーマを作りうる人物だけが強いリーダーになれる時代だ。小泉*2さんは得意な才能の人だった。今ふり返ると郵政民営化なんて大して重要な問題とはいえない。しかし当時、彼が『抵抗勢力』という敵を作りだし『闘う』といったら、国民が熱狂した。彼は演出家であり俳優だった」
'08.9.7.朝日新聞・劇作家・評論家・山崎 正和氏
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