散歩道<2520>
opinion・福田首相辞任・民主主義わかっていない(2) (1)〜(2)続く
私は、福田首相は「番頭外交」というもので世界に打って出ればいいと思っていた。番頭外交とは、大だんながむちゃなことを言ったら「まあまあ」となだめ、若だんなが遊びほうけていたらいさめる。しかるものはしかり、かばうものはかばう。グローバル化の時代は、賢い番頭さんが必要だと感じる。いろいろなことをよく知っており、目立たないような名采配を発揮して、それによって丸く収まっていく。
7月の主要国首脳会議(G8サミット)が、名番頭の采配をふるう絶好の場面だった。サブプライム問題、資源インフレ問題が吹き荒れる中、「私はこれをする」「あなたはこれをやってください」と、政策協調のシナリオつくりでリーダーシップを発揮すべきだった。議長にはそれだけの影響力と責任がある。しかし、福田首相はそうした認識が希薄で、チャンスをチャンスとして読めなかった。
新しい時代の宰相に必要な資質は二つある。一つは番頭であり、もう一つはドン・キホーテ*1である。ドン・キホーテには@「自分さえよければいい」という考えから非常に遠いA他人依存が強いB腕力が弱い・・・・という属性が備わり、それでいて理念は高い。グローバル化の時代は「自分だけ生き残ろう」「自分さえよければいい」とみんなが思えば思うほど、一緒に奈落の底に落ちてしまう。グローバルジャングルの砂漠化を防ぐのがドン・キホーテで、新しい時代に相性のいいヒーロー像だ。
それに、気配り、粘り腰、まめまめしさといった番頭的要素を兼ね備えていれば鬼に金棒ではないか。このような素質を合体したような宰相が、早く日本から出てきてほしい。
'08.9.3.朝日新聞・同志社大学教授・浜 矩子さん
関連記事:散歩道<1999>対談・御厨貴(みくりやたかし)さん・浜矩子さん・耕論・宰相の条件(1)〜 (5)、<2510>経済気象台(368)・帰納と演繹(人)、<464>-110・*1ドン・キホーテ、
![]()