散歩道<2517>
五輪後の中国・ざわめき・権利意識高まり官と対立(3) (1)〜(3)続く
○ ○ 利権手放せるか
・・・・今年の中国は国内総生産(GDP)でドイツを抜き、世界3位になるという見方です。
「よく世界の中国経済への依存度の高さが言われますが、中国の世界経済への依存度こそが問題です。GDPの約6割は貿易、しかもそのうち6割は外資系企業によるものです。中国経済は内需が弱く、世界経済の波風をまともに受けます。人民元もじりじりと上っており、いずれ国にの生産コストが上る。そのときも外資は引続き中国に投資するかどうか。日本は戦後、非常な痛みとともに内需転換に成功しましたが、中国も同じ課題に直面するでしょう」
・・・・中国経済が持続的に発展するためには、どのような改革が必要ですか。
「共産党は中央から地方まで、官僚独占資本による巨大なシステムを作り上げました。私はこれを『共産党カンパニー』と呼んでいます。一党独裁を残こしたまま市場経済を始めたため、審判が同時にプレーヤーをするような状態になった。資源、通信、電力、運輸、金融など主要産業は、国有企業が実質的に独占し、党官僚が利権を握っています」「民間企業にとっては参入が難しい。銀行の融資も国有企業が優先です。今後の発展のためには、党官僚が利権を手放し、自由な起業が出来るようになることが重要です。ホンダを創業した本田宗一郎のような人が出てくるか、中国版『プロジェクトX』 がありうるか、注目しています」
・・・・・100年前と現在が同時に存在している*1ようです。「前近代と現代が同居している。そんな国です。日本に例えると、永田町=政治家が不在で、霞ヶ関=官僚だけが実験を握っている。裁判所も党の支配下にある。三権分立がない。巨大な官僚行政国家です。その視点をわすれないでほしい。政治の民主化だけでなく、党官僚の経済独占が終わり経済の民主化が進んだ時、この国の民主化は完結するといえるでしょう」
'08.9.1.朝日新聞・神田外語大教授・興梠(こうろぎ)一郎氏
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