散歩道<2507>
けいざいノート・米国の金融危機(1) (1)〜(3)続く
市場の混乱防ぐには 大胆な国際協調の構想を
最近まで高等を続けていた原油価格は今月に入って下落に転じ、かわりにドルが一次的に急騰するなど、世界の金融市場では神経質な動きが続いている。投資資金は次のバブルを求めてさまよい続けているようだ。
不安定な市場の底には、米国の住宅バブルの崩壊*1による金融機関の経営危機という問題がある。
米国の平均住宅価格は、06年6月をピークに下落が続く。最近は下げ止まりの兆しが見えるといわれるが、日本の土地バブル崩壊の経験が示すように、いったん「土地神話」がくずれたら、どこまで住宅価格が下がるか誰にも分らない。
住宅価格が下落すると、住宅担保にした貸し出しは不良債権化し、金融機関の自己資本を目日利させてしまう。これが、米国の金融危機の原因である。米国の金融機関は、最近の金融技術で住宅貸し出しを証券化して投資家に売りさばいていたので、危機の前には、リスクは分散されていると思われていた。だが、実態は金融機関にリスクが集中していたわけである。
予想は難しいが、住宅価格の下落が続けば、米国の実態経済も徐々に悪化し、投資銀行や銀行も自力で資本増強できなくなる。かっての日本と同じく、政治的な曲折を経て、公的資金による資本注入が行われるだろう。
また米国は景気下支えのために、金利を下げて金融緩和を続けているが、それも今後相当続くだろう。
'08.8.30.朝日新聞・経済研究所上席研究員・小林 慶一郎氏
関連記事:散歩道<1251>デイベート経済・「脱デフレ」と残る課題(1)、<1463>ディベート経済・今後の経済・国家の役割は?(1)〜(4) 、<1753> けいざいノート・企業不祥事なぜ相次ぐ(1)〜(4)、<1758>けいざいノート・「デフレの罠」?低金利が問題を再生産か(1)〜(4) 、<1907>けいざいノート・格差問題の深層(1)〜(4)、<2160>けいざいノート・論争はめぐる(1)〜(4)、 <2228>けいざいノート・サブプライム診断(1)〜(4)、<2272>けいざいノート・政治と経済政策(1)〜(3)、<2454>けいざいノート・続く原油高(1)〜(3)、<検>言葉・*1サブプライム、
![]()