散歩道<2503>

                    わたしの視点・景気拡大の終わり・カッコつけかた「団塊」に学べ(2)             (1)〜(2)続く

 「お金が無いなら、高い酒を飲むのはカッコ悪い」。それが団塊世代の選択だろう。いっそ昔にたしなんだ安酒で若い頃の思い出に浸る方がカッコいい*3。あるいは「最近、野菜が高いから、自家菜園を始めた」と、友だちにカッコつけるだろう。「都会でカツカツに暮らすのもなんだから、地方で町づくりプランナーの募集に応募したよ」と、移住の理由をカッコよく説明するかも知れない。
 団塊世代の価値観の軸は、カッコいいか悪いか。分かれ目は知的
*1に見えるかどうかだ。自分の感性や考え方に共鳴してくれるはずの友人が、カッコいいと評価するか、どうか
。この
(単純な)価値観が、冷たい風に抗するのに意外と力を発揮するのではないか。こんな経済情勢下で「富裕層の皆様に」などというささやきに乗るのは、まことにカッコ悪い。みんなが生活に苦労しているのに自分だけがいい目にあっていると感じるのは、本当にカッコ悪い。そう思うのはまさに、暮らしを身の丈サイズに合わせる団塊の知恵だと思う。
 無理にカッコつけているわけではない。バブル以降に買いためて消費しきれなかった物が、たんすの中にいくらもある。おごってしまった舌も、昔はご飯と漬物で満足していたと思い出せば、ここ何十年かが食べ過ぎたんだと思い直せる。退職記念に買った高価なギターだって、手に入れた日の感激をいちど個人史に書き加えたなら、ちゅうちょなく手放せる。
 明日に檜
(ひのき)になろうとずっと思い続けてきた団塊世代は、同時に「ダメでもともと」の潔さももっている。団塊にとって、ともに座右の銘である「あすなろ」と「ダメもと」は、格差*2に苦しむ若い世代にとっても希望の言葉となるのではないか。

'08.8.21.プロデューサー・残間 里江子さん

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