散歩道<2502>

                    わたしの視点・景気拡大の終わり・カッコつけかた「団塊」に学べ(1)             (1)〜(2)続く

 戦後最長といっても、よくも悪くもないふつうの時間がずっと続いてきたような景気拡大期だったが、その終わりにさしかかって、吹く風がいきなり冷たく感じられるようになった。
 とはいっても、団塊
*3の多くの人たちは、まだ風の冷たさを実感していない。私一人だけじゃない、みんながいるから大丈夫、のんきに構えている。幼い頃から多くの仲間とひしめき合って生きてきた団塊世代にとって、自然に身についたコミューン(共同体)的な感覚が冷たい風にも吹き飛ばされないという自信を支えいる。
 奇妙な自信のもう一つの支えは、貧乏の体験だ。高度経済成長を担った団塊世代には、経済の谷底にずっとうごめいてきたという記憶はない。だが、物心つくころは、戦後の貧しい光景があちこちにひろがっていた。飢餓も含めて、貧乏や困窮の味は、疑似体験にせよ誰もが知っている。団塊の人たちにとって、これから吹き付けるだろう冷たい風も、人生のスタート時の大変さに比べればものの数に入らないと思えてしまうのだ。
 団塊の世代は、後に続く現役世代からは「ハッピーリタイア
(幸福な引退)」などと揶揄(やゆ)される。一方で上の世代をみれば、後期高齢者医療制度の冷たさが、やがて自分たちも襲うのではないかという不安にとらわれもする。そんな中で、定年退職後にはじめて迎える不況。その風を肌身に感じたら、彼らはうろたえるだろうか。

'08.8.21.プロヂューサー・残間 里江子さん


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備考:'09.12.佐藤しのぶさんとの対談の番組で、残間さんは、多くの会員性(会費は無料)によるグループを立ち上げているそうである。有識者による講演や、企画に参加された場合は有料だそうである。2010年2月1日