散歩道<2498>
夏に語る・教育や企業文化 強さ健在・世界に出て競争参加を(3) (1)〜(3)続く
世界に出て競争参加を
日本社会の抱えるもう一つの問題は政治だ*2。55年体制に代る、新たなシステムがまだ生まれていないため、政治の力が統一、結集されていない。今の政治家は皆、中小企業のように、お互い競争ばかりしていてばらばらだ。力をあわせて将来を考えることができない。
「軽武装・経済優先」路線で来た戦後の日本の歩みは、成功だったと思う。ここまで戦争をせず平和を維持できた。平和主義は今後も継続すれば良い。
米国と安全保障面で協力したことは、両国にとってすごくよかったと思う。冷戦後の日米安保再定義は、私自身かかわったので客観的に論評できる立場でないかもしれないが、成功したと思う。今後は、世界の集団的安全保障がさらに重要性を増す。「日米」だけではなく、欧州諸国などさまざま国々と協力する必要が出てくるだろう。
中国が今後どんどん強くなっても、「敵」になるとは思わない。平和的な道をとる可能性が大きい。これから中国と米国はもっと密接な関係になると思う。日中もそうなる。
ただ、歴史問題について日本は改めて、我々は間違った、悪かったとはっきり説明した方が良いだろう。大人の対応をすれば解決はより容易になる。静かにしていれば忘れれられると思っているなら間違いだ。中国人も韓国人も忘れない。
日本の将来を考える時に、GNP(国民総生産)ばかりを考えるとダメだと思う。中国と比べれば(相対的に)どんどん減る。米国にとってもそうだ。
ヨーロッパの各国、たとえばフランスとか英国は今、19世紀のころほど世界での重みはないが、ものすごく成功している国だ。文化*3や生活の水準が高い。尊敬もされている。
日本は先端技術開発、環境保全などの得意分野に取り組み、生活、文化水準の高い、よりよい国を目指すべきだと思う。世界と協力できる国であることも重要だ。
'08.8.25.朝日新聞・米ハーバード大名誉教授・エズラ・ボーゲルさん
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