散歩道<2495>
グローバル化の正体@歴史(3)・世界文明を育て、強める力 (1)〜(3)続く
21世紀の方法で
・・・・・21世紀的な世界の特徴とは何でしょう。
「我々は環境問題や国際テロ、民族問題、エイズや飢饉(ききん)など、グローバルな、全人類的な問題に直面しています。これは21世紀的な問題です。それを20世紀的な方法、たとえば戦争とか先進国中心の国際秩序とか、大国任せとか、そんな方法で解決しようとしても出来ません。21世紀の問題は21世紀の方法で取り組まないといけない」
「例えば国際機構なら、大国の意向なんて関係なしに協力できる仕組みが出来ているところ、世界保健期間(WHO)やユネスコなどに期待したい。数万アルという国際NGOもいいですね。国家を超えた組織、欧州連合(EU)は、環境や移民の問題を地域全体で取り組もうとしています。アジアもてんでばらばらじゃだめ。地域共同体の様なものをつくらないといけません」
・・・・・このインタビーユシリーズではグローバル*1化にたいして賛否さまざまな議論がありました。入江さんは肯定的です。
「ぼくは、歴史はより好ましい方向に進んでいると考えています。アメリカの政治学者ハンチントンのようにイスラム台頭を重く見て『文明の衝突』とか「文明間の戦争」などという人もいる。でも、イスラム文明もキリスト文明も、いくつかある文明の一つに過ぎません。複数の文明を集めて一つにしたのが現在の世界文明であり、それをそだて、強固にしていく力がグローバル化です」
「確かに現在のグローバル化には貧富の差*2の拡大など問題があります。でも、20世紀と比べてほしい。世界の4分の1が残りの人間と資源と土地を支配していました。大戦争が2度もあった。そんな世界に戻るのがいいのでしょうか」
「よりよい世紀を作るためにこれからできることは幾らでもあります。イスラム社会とそれ以外の社会の対話を進めるとか、市民社会同士のつながりを強めるとか、20世紀にはなかったようなグローバルなネットワークをつくっていくとか。世界の歴史とは文明の衝突ではなく文明間の対話の歴史だということを、若い人たちはぜひ学んでもらいたいですね」
'08.8.25朝日新聞・ハーバード大名誉教授・入江 昭氏
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