散歩<249>
                              研究開発防災研究(1)               (1)〜(2)続く

1、質の高い基礎研究でもビジネスに結びつくまでの期間を死の谷という。現在では収益性の高いビジネスでも国が手を貸す大学や企業の基礎研究に活用されるのは困難なのが実情である。自然災害とその要因となる現象に関する研究の成果は膨大なものである。防災に関する研究はを産業化するのは難しい。社会に新しい利便性や利益をもたらすものでない産業化の動機付は高くない。基礎研究が活用される可能性は低い。研究者と行政の接点は、事業の展開に研究者の協力を必要としている時のみであって研究者の組織だった活用は難しい。研究者は必ずしもそれを防災技術に活かすことを念頭においていない。又、行政もどの研究成果が、災害対策の質の向上に役立つか理解していない。両者をつなぐ(研究成果を防災技術に生かす為の)通訳をする人の整備が必要である。
(15.9.17。朝日新聞・私の視点・.立命館大学教授・土岐氏)

関連記事:散歩道<2510>経済気象台(368)・帰納と演繹

2、基礎部分・産学連携を模索相次ぐ中央研究所解体)(資金の活用工夫の余地)
 
製品開発化に至らない研究期間を死の谷という。企業として負担も大きい、大企業では収益に直結する製品開発を重視し、巨額の経費が掛かることには1社では負えなくなってきた。研究成果を特許などの形に所有する組織(技術移転機関(TLO)を相次いで設置する)。米国では産、学、官連携では企業連合(コンソーシアム)に対して政府助成、企業連合が大学側の保有する特許を買う形をとった。企業ニーズに即して金が流れる仕組みになっている。これに対し日本では国の予算が大学など研究機関に直接振り分けられる比率が高い為、企業側のニーズが研究内容に反映されにくい。企業と連携が深い新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)も、企業側の発案に基ずく研究テーマに助成する「公募型研究事業」はNEDOの1/7程度。残りは国主導の研究だ。企業主導型を増すべきだ。米国では、ベンチャーキャピタルがベンチャー企業に金を流す仕組み、ハイリスク・ハイリターンを求めるマネーが大企業の他で行われる基礎研究を支えたわけだ。これに対し日本では基礎研究のスポンサーは国だけである。将来の日本を支える技術育成に直結する技術を見出す眼力と効率的な金の使い方が求められる。日本の科学技術研究費の国内総生産(GDP)に占める研究費の割合は(3.35%)世界最高である。
経営者は技術に、技術者は経営者に通じよということになる。官の役割はむしろ画期的な新商品の売上を控除の対象にするなど思い切った税制上の優遇処置で民間のやる気を引き出す事にあるのではないか。
15.12.23.朝日新聞・一橋大大学院・教授・生駒氏   ・・・・・(朝日新聞・15.12.23.変わる企業の研究体制)


備考:現在、世界の最先端技術を行く日本のiPS細胞の研究にもこの死の谷の問題が起こっているという話である、関連するあらゆる分野の研究レベルが向上し、異種の分野を含め、互いに交流する必要がある指摘が’'12.7.3のNHKクローズドアップ現代で指摘されていた。2012年7月5日