散歩道<2471>
グローバル化の正体(3)・@市民社会・ほころぶ新自由主義に対抗 (1)〜(3)続く
○ ○ 連帯経済の実践
・・・・別の道を見つけるために、どのような方向で知恵を絞るのでしょうか。
「連帯経済という考え方が出てきた。最大限の利潤を追求するのではなく、人々の連帯に依拠した経済活動を指す。例えば協同組合などの相互扶助や、NGOによる開発支援。家事や育児などの女性の無償労働も含まれる。ノーベル平和賞で脚光を浴びた、担保なしの小規模融資(マイクロ・クレジット)もそうだ。大量生産、大量消費、大量廃棄の市場経済に対抗する概念でもあり、環境や人権を損なうものであってはならない」
「規模は小さくとも、個々に自立した連帯経済の単位が、国や地域、グローバルのレベルで緩やかなネットワークをつくっていく。そうしたお金のやり取りが全体の15%を占めれば、市場経済を少しは人間的なものにできると考えられている。フランスヤスペイン、ブラジルでは広範に実践されている」
・・・・連帯経済に着目した動きは、日本でも広がっていきそうですか。
「昨年、フイリッピンで第1回アジア連帯経済会議が開かれた。来年10月には東京で開かれる。国内で注目しているのは農村女性の起業活動だ。彼女たちの農産物加工場は、地域を元気にしている。また、NPOの活動範囲が広がっていることも心強い。病児保育や障害の学童保育運動など、社会に足りないものを埋める形で、確実に根付いている」
・・・・今後、市民社会に期待される役割は。
「グローバル化で拡大した貧困や格差に、歯止めをかけていくことだ。もちろん、市民社会の側にも問題はある。誰が代表するのかという正当性への疑問は常に付きまとうし、相互の利益がぶつかった時の調整も未知数だ。それでも、国家の力が弱まるなか、行き過ぎた市場原理主義を規制する役割は市民社会が担わないといけない」
'08.8.11.朝日新聞・国際問題評論家・北沢洋子さん
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