散歩道<2469>
グローバル化の正体(1)・@市民社会・ほころぶ新自由主義に対抗 (1)〜(3)続く
・・・・グローバル化のなかで、市民社会(シビル・ソサエティ)という考え方が注目されています。
「民の立場から公共の利益のために働く組織が市民社会で、非政府組織(NGO)や非営利組織(NPO)が代表例だ。NGO活動は80年代の途上国での開発支援から活発になった。冷戦が終わり、環境や人権、女性、子供の問題が噴出すと、専門的かつ集中的に取り組む『力』として、存在感をなしてきた」
「95年の国連社会開発サミット以来、国家、企業と並び立つ第3のアクターとして、市民社会の概念が定着した。世界を見渡すと、独裁政権下の国や軍事紛争のある国では市民社会がまだ成熟していない」
・・・・・実際の国際政治のなかでは、どのように力を発揮してきたのでしょうか。
「97年に署名された対人地雷の禁止条約が最初の成功例だ。わずか6団体で始まった地雷廃止のキャンペーンは、大国を説得するために、北欧やカナダといったミドルパワーを味方につける作戦を採った。また、故ダイアナ妃の協力を取り付けて、国際世論を見事に動かした」
「その次の成功例は、途上国の債務帳消しを求めた『ジュビリー2000』の運動だ。宗教界や労働界、医師会などの国際組織が加わり、地雷の時よりもより広範な市民社会が参加してG7の首脳に働きかけ、成果を勝ちとった」
・・・・・市民社会が力をつけた素地には、インターネットの普及があったとされています。
「まさにそうだ。先日、全米の100都市で大規模な反戦デモがあったが、ネットで呼びかけがはじまったのは、わずか1ヶ月前だった。インターネットは市民の声を反映させ、結びつけるのにとても有効な回路だ。おかげで貧困解消に向けた国際的なキャンペーンなども可能になった」
「ネット空間には、市民社会の知的な共有財産も生まれている。例えば米国の言語学者のチョムスキー氏の主宰市民社会するホームページ。世界の様々な問題を分析する質の高い論文が毎日10本以上も寄せられていて、1日に500万件以上のアクセスがある。これらはみな、グローバル化の恩恵だといえる」
'08.8.11.朝日新聞・国際問題評論家・北沢洋子さん
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